N様(2)のHA02エンジン組み立て vol.2

 今日はクランクケースの作業をご紹介していきます。

 まずスリーブとクランクケースの隙間の確認です。干渉するしないはクランクケースの製造ロットやシリンダーの製造ロットによって違いがでますが、干渉しないものでもクリアランスはほんのわずかしかありません。

 通常ボアアップキットを組み付ける際にはクランクケースまで分解しませんから、干渉が確認される場合はノックピンをはずして組むなど、組みかたでカバーしてください。カブ系のピストンはフルフロータイプですから、他の箇所で考えながらきちんと組めば、ノックピンレスで対応いただいても構造として全く問題はありません。


 今回こちらのクランクケースはシリンダースリーブとほぼ干渉していませんでした。干渉がなければ削りたくない箇所ですので、クランクケースのスリーブ逃げ加工は最低限の余裕としてだけ作業をしてあります。こんなときの手加減で調整ができるのでハンドグラインドは捨てたものではなく優位性はあります。ですが寸法管理や均一性は劣りますし、なにより作業者の技量に左右されますから(わたしが上手かどうかはそう自信がありません)、生産過程で減らしたいのはよく分かります。

 もしご自分でしようとお考えの場合は、できるだけすこしずつ(おそらく考えていらっしゃる丁寧さでは足りません)、絶えず計測をしながら作業をしてください。


 金属粉の出そうな切削加工は一部を除いて済ませてベアリングの挿入をしました。走行距離のかさんでいるエンジンはどうしても痩せがあるので、念のためもあってベアリング回り止めの加工をしてあります。あまり強くすると万が一の弊害が分かっていないので控えめにしています。ここは嫌気性の接着剤を使う方法もありますが、再使用ができなくなるものやクリアランスのあるものもあるので、選定には気を付けてください。接着剤、パテ、塗装、このあたりは同じような知識が必要なところがあります。

 ご紹介していませんが取り付け前にベアリングは清掃をしてグリスを抜いてオイルに漬けて(通して)あります。弊店で販売している4速変換ベアリング(強化ラー)も同じ作業をしているので撮影を忘れましたが弊店ではとても多い作業です。


 ベアリングをすべて入れました。これでひとまずクランクケースの作業は終わりました。お疲れさまでした。


 今日はこのあたりまでにしておきましょう。ではまた明日お会いしましょう。