T様のカブ90エンジン組み立て vol.3

 ただいま作業がたいへん遅れています、申し訳ありません。

 手間どっている理由のひとつは予定通りクリーニングがうまくいかなかったことです。今回のエンジンは外側が塗装されていて、そちらを落とさず汚れを落としに行こうと洗浄ケミカル数種類で頑張ってみたのですが、結局いつもの組み合わせがよかったようで、落とせた汚れを余計に落ちにくくしてしまうだけになりました。複数の種類の汚れを順番に(そして他を邪魔しないように)落としていかないとうまくいかないようです。


 というわけで、クリーニングを終えたクランクケースです。ベアリングなど付属する部品はほぼ全て外して洗浄しています。スピンドルを外すかどうするかはいつも考えるところですが、わたしの慣れなのか、そのままで進めることが多いです。


 向かって左側のベアリング(スプロケット裏のところ)は緩いことが多いです。今回もクランクケース外側を少したたくだけで緩みました。どうやら全バラ歴のあるエンジンのようできれいな以外に、ケースのヘタりも少ないようなので走行距離もあまりないように見えるエンジンなのですが、ここの緩みは早いようです。

 右側はいつも固いです。ここのベアリングは専用工具を使わないと外れません。今回はカラーを使わずにミッションを変更しますが、カラーを使って多速化される際には、ここのベアリングは必ず外していただく必要があります。


 反対側のクランクケースのベアリングも交換します。ベアリングを外す際は無理な力をかけないように外しています。叩いても外れますが、きちんと外せば、このとおり横方向の傷は全くといってよいほど入りません。まだきれいな切削痕が残っています。


 交換する新しいベアリングを洗います。新品部品についている油は作業工程でつく油で、エンジンオイルではありませんので、すべて洗ってそれぞれの箇所に適したオイルをさして使います。


 ベアリングを入れました。すこし触れたとおり、このクランクケースは左側ケースのドリブンシャフト部分が少しゆるめ、それ以外は悪い程度ではなかったので、ケースは非接触温度計で管理して全体にあたためて、ベアリングは冷却して入れています。


 今回からベアリングの回り止め加工をしています。今回はゆるい1か所です。テストエンジンではしておくこともありましたし、違う車種のレース用エンジンで行っています。この固定する方法は専用の接着剤などもあるので、いま最良と考えている方法は、これだということで。


 次からはミッションのご紹介を予定しています。それでは。